冬のお手入れ「寒肥」について

落葉樹の葉も落ちてきて、庭木も少しずつ冬の装いになってまいりました。
寒くなってくると、多くの樹木は休眠するためあまりお手入れも必要なくなってきます。

そんな時期にするお手入れに「寒肥」というものがあります。
ホームセンターなどでも、さまざまな寒肥用の肥料が売られており
お庭をやられる方にはすっかりお馴染みかもしれません。

今回はそんな寒肥について書いてみたいと思います。

寒肥で与える肥料の種類

寒肥では土壌でゆっくりと分解されながら長期的に効果を発揮する
有機肥料を与えます。

ホームセンターやガーデニングのお店などでは
専用の肥料が売られていることが多いので、そちらを利用するのが手っ取り早いと思います。

専用のものでなくても「油かす」や「骨粉」などの有機質肥料を混ぜて使っても良いです。
その際にはペレット状になっているものを選ばれると扱いやすいと思います。

寒肥を与える時期

寒肥を行う時期としては寒さを感じられるようになってからが良いと思います。
暖かいうちに寒肥をしてしまうと、まだ土壌の微生物が元気なため
有機肥料の分解が早まってしまうことがあります。

近年ですと11月になっても時々暖かい日があるので
11月終わり〜2月初旬までに与えるのがベストです。
木の状態としては、葉や花が落ちた後を目安にしていただけば良いと思います。

寒肥のやり方

木は根の先の方が肥料や水を吸収しやすいので、肥料は根の先に入れるイメージです。
目安としては、枝の先からおろしたあたりが良いと思います

寒肥で使う有機肥料は微生物が分解することで効果を発揮するので
肥料は土の中に埋めます。

埋める深さは木の大きさによっても変わりますが
通常の庭木であれば10cm程度、大きな木であれば20cm以上
掘って埋めるのが望ましいです。

寒肥のやり方は主に3つです。

壺肥

壺肥は木の周りに穴を掘って堆肥を埋めます。
幹を中心に周囲に4か所から8か所対角線に穴を掘ると良いと思います。

埋める箇所は多い方が効果がありますが、小さな木であれば1箇所でも大丈夫です。

車肥

車肥は木幹からの周りに向かって放射状に肥料を埋めます。
こちらも幹を中心に対角線に4か所から8か所くらい線を引くように掘っていきます。

幹の近くよりも根の先の方に向かって施肥をするような意識でやっていただくと良いと思います。

輪肥

輪肥は幹を中心として根の先をぐるっと囲むように掘って施肥をします。
満遍なく肥料が行き渡るので効果は高いと思いますが大きな木の場合は少し大変です。

その場合は壺肥でも十分だと思います。

寒肥をおすすめする木と注意が必要な木

寒肥は休眠している木の土と木にゆっくり栄養を与える方法です。
そのため庭木に寒肥をするかどうかの基準の一つは落葉樹であることです。

常緑樹であれば、寒肥ではなく春先に芽出し肥をあげると良いと思います。

花の咲く木

バラ、サクラ、ハナミズキなど花の咲く木に寒肥を行うと、花芽のつきが良くなったり
成長を助けてくれる効果があるとされています。

ただし、ツツジのようにすでに花芽ができてしまっている木に寒肥をすると
花芽が新芽に変わってしまうこともありますので注意が必要です。

果実のなる木

ウメ、ブルーベリー、モモ、イチジクなど果実のなる木でも寒肥はおすすめです。

ただし、柑橘系やオリーブなど暖かい地域が原産地の木に寒肥をしてしまうと
早めに芽吹いてしまい、寒さで芽がダメになってしまうことがあるので注意が必要です。

まとめ

今回は寒い時期のお手入れとして
「寒肥」について簡単に書いてみました。

寒肥をすることで、寒い冬の間にじっくりと土や木に栄養を与え
春以降の成長を促進したり、お花や果実を豊かに育んでくれます。

逗子市近辺の平野部では、冬でもあまり雪などの心配はないので
冬支度といっても大袈裟なものは必要ないと思います。

もし寒さに弱い熱帯原産の木などを植えている方は、「寒肥」以外にも
根本を木材や石材、ビニールなどでマルチングをするのも良いと思います。

お庭の相談などはお気軽にお問い合わせください。

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